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世界で水不足が深刻化、節水努力が急務 国連報告書 [アフリカ・中東]

◆人口増加と肉食が増えることにより、2050年までに食糧需要は約70%増加する。現状を元にした試算では世界の農業の水消費量は20%近く増加する。現在、農業で使われる水の量は水消費量全体の約70%だが、先進国では44%、最も開発が遅れる途上国では90%以上と、大きな差がある。 ◆帯水層(地下水を含む岩や土の層)からの取水量はこの50年間で少なくとも3倍に増え、現在では飲料水全体の約半分を占めている。報告書によれば、「再生不能な地下水資源がすでに限界に達している深刻な地域もある」という。報告書は、水管理の徹底的な見直しと相当な節水努力が必要だとし、かんがいシステムの改善、より少ない水で育つ農作物の導入、トイレ用水への生活雑排水の使用などを挙げている。 ◆気候変動が引き起こす水問題対策にかかる費用は、2020~50年の間で年間137億ドル~192億ドル(約1兆1300億~1兆5800億円)に達する。この金額は、地球の平均気温上昇を2度未満に抑えるとした国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate Change、UNFCCC)締約国会議での仮定に基づいて計算されている。  報告書を作成したユネスコの世界水アセスメント計画(World Water Assessment Programme、WWAP)のコーディネーター、オルジャイ・ウンベル(Olcay Unver)氏は、中東や南アジア、米国南西部などの現在水不足に苦しむ地域ではより深刻な事態となるだろうと話している。 ◆約25億人がいまだに不衛生な環境に暮らしており、この点で2015年を期限とする国連ミレニアム開発目標(UN Millennium Development Goal)を達成できない可能性が高い。一方、先週の国連の発表によれば、安全な飲料水の確保の目標は達成される見込み。 ■現状では水戦争のリスクは低い  また、報告書では都市、農家、生態系や国家の間で起こる水資源の獲得競争についても光を当てている。推定で世界の148の国が他国も利用する水源を国内に持ち、自国のみが使う水源が国内にある国は21か国だという。  しかしウンベル氏は先週パリ(Paris)で記者団に「各国は水資源を奪い合うのではなく、非常によく協力している」と語り、水資源をめぐる戦争が起こるリスクは高くなさそうだと述べた。  その一方で、食糧やバイオ燃料確保のため、欧米や中東各国、そして急速に経済力を付けた中国とインドがアフリカで農地を取得していることが不安要因として浮上している。自国の需要を満たすために他国の水資源を浪費し、その地域の生態系が犠牲になるのではないかという懸念が持たれている。  報告書は、「特に西アフリカなどのすでに水不足に苦しむ地域において、バイオ燃料の原料作物のプランテーションに必要とされる水の消費量は、破壊的影響をもたらす恐れがある」としている。
他国で水を買い消費していたり、また、水不足の国でも、バイオ燃料の原料作物のプランテーションを作り、水を消費してる実態があるのですね。
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