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海底版「ストリートビュー」グレート・バリア・リーフ [オセアニア]
豪クイーンズランド大学(University of Queensland)が主導する同プロジェクトは専用カメラと潜水ロボットを導入し、豪北東部沖にある世界最大のサンゴ礁地帯、グレートバリアリーフのこれまで人目に触れたことのない深海の様子を探査する。 4枚のレンズを搭載した特製カメラはダイバーが持って泳ぐことも可能で、全長2300キロメートルのサンゴ礁地帯の20か所で海洋生物の生息状況に関する「迅速な可視化調査」を行う。 周囲360度を捉える全方位カメラで撮影される約5万枚の高解像度パノラマ写真は、グーグルが提供する地域情報付き写真共有サービス「パノラミオ(Panoramio)」にアップロードされ、グーグルマップ(Google Map)やグーグルアース(Google Earth)で使用される。最終的には、ストリートビューの海中版のようなものになるという。 ■気候変動の影響を記録に 同プロジェクトを主導するオーブ・ホーグ・グルトベルク(Ove Hoegh-Guldberg)氏は、調査の主目的は現在のサンゴ礁を記録に収め、将来の状態と比較して気候変動による影響を測定することと、これまでダイバーが到達できず、ほぼ未知だった場所の地図を作成することだと述べる。 中でも、研究チームが特に関心を持っているのは、サンゴの放卵放精がどの深度まで行われているかだ。水深の浅い場所の放卵放精は月が引き金になっているが、もしも月の光があまり届かない深い場所でもサンゴが月に従っていることが確認されれば、これはまさに「驚くべき発見」になるという。 グレート・バリア・リーフは3000以上のサンゴ群と数百の島から構成され、1500種の魚類と30種のクジラやイルカ、ネズミイルカが生息している。 前年末にロボットを用いて深海部で行った6日間の撮影試験では、これまでオーストラリアでは未確認だったサンゴ4種が発見され、また新種のピグミーシーホースも見つかった。 ホーグ・グルトベルク氏は、このプロジェクトが「本物の科学」と大衆文化の刺激的な融合であると述べ、海そのものと気候変動に対する海の脆弱性に人びとの関心が高まることを期待していると語った。
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